学校法人へのサービス

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1 学校法人の会計、税務の特殊性

1-1 学校法人会計の基本的性格

経常費補助金の交付の有無を問わず、すべての学校法人は「学校会計会計基準」に準拠した計算書類を作成しなければなりません(私学法施行規則第4条の4)。

また、学校法人のうち、1,000万円以上の経常費補助金の交付を受ける学校法人は、公認会計士又は監査法人の監査を受ける必要があります。

学校法人会計基準は、文部科学省令として、すなわち法令として規定されており、これを所轄する文部科学大臣や都道府県知事が学校法人を管理するための基準という基本的性格を持っています。

1-2 学校法人会計の特殊性

そのため、学校法人会計は次のような特徴を持っています。

  1. 学校や研究所などを会計単位とする施設会計であること(貸借対照表は法人全体のもののみを作成)
  2. 補助金の計算の基礎ともなるので、収入と支出の項目が定型化されるとともに、勘定科目が詳細に設定されており、自由度が小さいこと。
  3. 学校施設維持のために、基本金という特殊な概念が資本の部に設けられていること
  4. 損益計算(事業活動収支計算)だけでなく資金収支計算がおこなわれること
  5. 官公庁と同様、資金収支ベースの単年度予算管理が重視されること
  6. 寄付行為上の収益事業の会計は、学校会計基準により作成される学校会計と切り離され、一般に公正妥当と認められる企業会計の原則により処理すること

1-3 学校法人税務の特殊性

法人税法上、学校法人はその収益事業から生じた所得のみに課税されます。ここでいう収益事業は、法人税法施行令第5条第1項各号に規定される34種類の事業のことを言いますので、寄付行為上の収益事業であるかどうかは関係ありません。

また、収益事業として法人税の課税の対象となる要件には、34業種の事業に該当し、かつその「事業を継続」して「事業所を設けて営む」こととあります。この、「継続して営まれること」、「事業所を設けて営まれること」などの判断には困難が伴う場合があります。

また、34業種に該当する場合でも、教育事業の保護・育成の見地等から、政策的に非課税扱いされているものも少なからずあります。

課税事業に係る収益を特定する作業、それに対応する費用を集計する作業も簡単ではありません。

さらに、消費税計算においても、学校法人の場合には「特定収入がある場合の仕入控除税額の調整」という厄介な作業もあります。

1-4 学校法人会計・税務のスペシャリスト

このような、特殊な会計制度や税務計算が必要な学校法人の業務は、学校法人の会計と税務に関する深い理解と経験が必要不可欠です。公認会計士や税理士の資格があれば、対応できるというものではありません。

私どもは、大規模な大学を運営する学校法人から小規模学校法人まで長年にわたり関与してまいりました。学校法人の会計に深くかかわっている公認会計士はたくさんはいません。それに加え、学校法人の税務申告についても習熟してる公認会計士はもっと数が少なくなります。

私どもが提供する会計監査業務、税務業務、アウトソーシング業務、コンサルティング業務は学校法人業務のスペシャリストが提供するスペシャルなサービスです。

2 会計監査業務

2-1 法定監査業務

「私立学校振興助成法」第14条に基づき、同法に定める経常費補助金の交付を受ける学校法人は、学校法人会計基準に準拠して計算書類を作成しなければならず、公認会計士又は監査法人の監査報告書を添付しなければなりません。

上述の通り、学校法人会計基準が法令であるという点が、「一般に公正妥当と認められる企業会計の基準」への準拠性を問う一般的な企業の監査と大きく違うところです。

また、企業の財務諸表監査では、財政状態、経営成績やキャッシュフローの状況を適正に示しているかどうかを問いますが、学校法人の監査はそれだけでは不十分です。

なぜならば、企業の財務諸表が外部の利害関係者に企業の財政状態や経営成績を伝えることを目的に作成されているのに対し、学校法人の計算書類が学校法人を所管する文部科学省や都道府県知事に対する報告書としての役割を重視し作成されているからです。

そのため、学校法人会計基準では一般的な非営利会計の会計基準に比し、特殊でかつ詳細な計算書類体系、勘定科目体系が設定されています。また、どの勘定科目、どの部門で処理するかは補助金の金額にも影響するため、これらの区分処理を正しく行わなければならない要請が企業会計で要請されるレベルよりも格段に高くなっています。

このあたりが一般の企業会計の監査に習熟している公認会計士が学校法人の監査にうまく対応できない原因かもしれません。

2-2 任意監査業務

経常費補助金が1,000万円に満たないため、監査が義務付けられていない学校法人も任意監査を受けることで、正しい提出書類を作成することができる、経理部門の能力を高める、不正の可能性を減らすことができる、業務体制を見直すことができるなどたくさんの効果があります。任意監査の導入をおすすめいたします。

3 税務業務

3-1 税務顧問

学校法人に特有な法人税・消費税の取り扱いに習熟している私どもに学校法人の税務はお任せください。小規模法人から大規模法人まで対応できます。コンサルティング業務やアウトソーシング業務を含むご契約も可能です。

3-2 決算業務

一般的に言って、監査法人では副業が禁じられていることから、会計監査業務を担当する公認会計士は監査のプロではあっても、自分で決算書や申告書を作成する機会はほとんどありません。そういう意味では、監査業務、税務業務、アウトソーシング業務の全てに習熟しているプロフェッショナルは極めて希少です。

私どもは、貴校の状況に応じ、貴校のニーズに合った形で決算業務やそのサポート業務を提供できます。貴校の決算処理をチェックする、決算処理の一部又は全部を請け負う、決算処理を管理指導するなどそのバリエーションはさまざまです。

3-3 法人税・住民税・消費税の申告

法人税、法人事業税、法人県民税・市町村民税、消費税等の申告書作成や税務代理を承ります。

3-4 給与関連税務業務

年末調整、法定調書関係の書類作成など人件費に係る税務業務を受託いたします。給与計算とセットでも単独でも受託可能です。

4 アウトソーシング業務

アウトソーシング業務は、グループ会社の「わくわく経理サポート」から、提供させていただきます。

わくわく経理サポートの特徴はこちらをご覧ください。

4-1 記帳代行業務

小規模学校法人向けの業務です。学校会計は特殊ですので、一般企業で経理の経験のある担当者でも慣れるには相応の時間と努力が必要になります。小規模学校法人では、外部の業者に経理を外注することも視野に入れるべきでしょう。

外注にあたって注意すべき点は予算統制の機能を十分に果たせるような態勢で外注を行うことです。試算表が2か月後にできあがるような状態では予算統制どころではありませんから。この点外注先と十分に調整しておくことが必要です。

私どもは、外注を受ける場合でも、クラウドシステムをおすすめしております。クラウドシステムを良好に運用するとタイムラグなく予算管理を行うことができます。

一般的な記帳代行のご説明はこちらからご覧ください。

4-2 給与計算業務

給与計算、賞与計算、退職金計算と給与明細書作成、給与振込、住民税特別徴収事務、その他給与関連事務の受託をしております。また、給与計算システムの導入支援や指導も承っております。

学校法人の給与関連業務は、社会保険が共済制度であることや退職金社団・財団への負担金を除き、特殊な事情はありません。

一般的な給与計算業務の説明はこちらからご覧ください。

4-3 決算書類・財務書類作成業務

決算業務に関わらない場合でも、計算書類や財産目録等の所轄官庁や金融機関に提出する財務書類の作成を受託しております。お急ぎの場合もお声がけください。

なお、学校法人会計に自信のない会計事務所からの業務も受託しておりますので、お問い合わせをお願いいたします。

5 コンサルティング業務

5-1 会計顧問

中小規模学校法人向けの業務です。中小規模法人では学校内に学校法人会計に習熟した担当者がいらっしゃることの方が稀です。会計処理についてのご指導やご相談のほか、入力内容のチェックや修正も可能です。

また、日常的な業務処理態勢や内部統制の改善、業務の効率化の指導なども行います。

平成25年4月に学校法人会計基準が大幅に改正され、文部科学大臣所轄の学校法人は平成27年度から、都道府県知事所轄の学校法人は平成28年度から、新基準により予算と決算を行わなければなりません。新基準の導入支援につきましてもしっかりとサポートさせていただきます。

5-2 予算編成・統制支援業務

学校法人にとって予算編成と予算統制は重要な意味を持っています。実態はともかく、学校法人の運営が予算によって統制されるよう設計されているからです。

官公庁の単年度予算主義に弊害も多い点については改めて指摘するまでもないでしょうが、単年度計画をしっかり立てること自体は学校経営にとって重要なことです。

予算責任者や発注権限者が明確にルール化されていないと、予算の統制は事実上不可能です。学校法人をめぐる経営環境の厳しさが増す中で、しっかりとした予算編成と予算統制ができるか否かは重要な経営課題となっています。

予算編成にあたって、予算を余らせた部門から予算をすぐにとり上げないことも重要です。予算を取り上げるとどうしても不要不急の支出が多くなりがちです。無駄な支出を減らすためには、中期経営計画等を策定するとともに、余った予算を次年度に繰越可能なルールにし、数年間の合計予算額で管理するのも一案です。いずれにしても優れた予算管理者の育成が不可欠です。

5-3 経営計画策定業務

学校法人会計や学校法人の運営が単年度予算主義を背景としていること、新規に大規模な設備投資をする場合や財務状況に問題がある場合のほか、所轄庁から中長期計画の提出を求められることも少ないことから、中長期の経営計画を作っていない法人も少なくないと思います。

少子化の中で学校法人が生き残っていくためには、中長期の学校運営の方向性を見直した計画策定が不可欠です。

私どもが計画を策定するのではなく、計画を策定するのは学校法人です。計画策定をサポートする役回りに徹しないと無駄な作業になってしまいます。

形だけの中長期計画を作っている法人、中長期計画を作っていない法人の理事・経理担当者の皆様、この機会に是非策定なさることをおすすめいたします。

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