PDCAサイクルの導入

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1 PDCAサイクルとは

多くの中小企業にとって、最も重要であるにもかかわらず、不十分なのは「計画性」なのではないかと思います。

われわれが何事か厄介な仕事をうまくやり遂げたいときには、事前にしっかりとした計画や段取りを決めておくでしょう。その仕事にたくさんの人が絡んでくるとなおさらです。計画なしの行きばたりあったりでうまくいくなんてことはまずありません。

何をやりたいのかじっくり自問したうえで、それが実現できそうな計画を立てる(Plan)。計画をメンバーに共有してもらい、実行する(Do)。その実行結果を評価する(Check)。問題点や改善点を考える(Action)。再び計画を立て直す(Plan)。この「Plan→Do→Check→Action」といった流れを、一般に経営管理サイクルとかPDCAサイクルなどと呼びます。

経営は試行錯誤の連続です。間違った意思決定を犯さない経営者もいません。大事なのは失敗や改善すべき部分を早めに見極めそれをしっかり修正していくことができるかどうかです。

経営者である貴方は「そんなこと当たり前だし、当然やっているよ」とおっしゃるかもしれません。それではお聞きします。経営計画を文書化して会社の主要メンバーに周知していますか。社員はその経営計画を理解したうえで各自の仕事を進めていますか。経営計画はどの程度達成されましたか。その状況を会計実績やその他の数値でしっかりと確認しましたか。達成できなかった場合にその原因を特定しましたか。その原因を経営環境や経済情勢のせいにしませんでしたか。経営計画に無理があったと分かった時、改善策を考え、経営計画を修正し実行しましたか。

私の経験では、こういったことを組織的に行っている中小企業はごくわずかでした。経営者の頭の中に経営計画はあっても、文書化して明確な形にしていなかったり、主要メンバーに説明していなかったりということはよくあることです。また、この辺りがクリアできている会社であっても、次の段階である評価をしっかりと行う習慣がないことが多いようです。ここには、会計実績の適時報告、会計データの分析というハードルがあるからです。もちろん会計データだけで評価することには無理がありますが、会計データが経営管理上の重要な情報を生み出すことには異存がないでしょう。

理屈の上では、PDCAと分解できますが、実際のところ、会計データを含む評価のためのさまざまなデータとにらめっこしながら(Check)、改善策を考え(Action)、計画の修正案を考える(Plan)という作業をほほ同時に行うことになります。

経営計画は「こうすればうまくいくのではないか」という仮説です。やったことの効果をしっかり検証できなければ、仮説がどの程度正しいのか、どこをどう修正すればよいのかが見えてきません。その場合、同じ間違いを繰り返していく可能性が高くなります。

2 PDCAサイクルの導入

前項に書いた通り、PDCAサイクルを会社組織上の各段階、各部門でしっかりと習慣化することは、会社経営にとって重要なことです。

計画は自らをも縛ること、管理することになりますから、窮屈な話ではあります。しかし、自分や自分たちで計画を作れるのであればこんな幸せなこともないかもしれません。わたしは計画を作り、それを実行し、評価するという一連の仕事をできるだけ楽しむことをお薦めします。それが、楽しくないこと、喜びを得られないことであれば、はじめからやらないほうがましですし、満足感や達成感を生まない仕事が、顧客に満足感を提供できるとは思えないからです。

経営計画を文書化していない会社は、まず、文書化から始めてみてください。ここで注意願いたいのは、経営計画書を単なる机上の作文で終わらせては無意味だということです。

貴方や会社創設者は、何故、今の事業をはじめたのか、10年後、20年後に今の事業はどうなっているのか、その中でどのように生き残っていくのか、貴方はどんな会社を作りたかったのか、貴方の会社や事業は社会の中でどのような役割を果たしていくのかといった貴方にとって大事なことをまず文書化してみてください。経営理念と長期計画・経営戦略の分野です。

10年後、20年後のあるべき姿、ありたい姿を実現するための手段を書いたものが経営計画です。単にビジネスモデルのアイデアを記述するだけでは不十分で、マネジメント書から借りてきた言葉をそのまま書くこともやめてください。自分の言葉、自分たちの言葉で書いたもの、血の通ったものでなければ、人を動かすことはできません。

計画の種類には、時間軸の長短により、5年超の長期計画、3年程度の中期計画、翌1年分の予算があり、対象範囲により会社全体の計画から、各事業単位の計画、部門単位の計画、部門構成単位別の計画、担当者単位の計画まであります。これらを必要に応じて作成し、実行することになります。

次いで、計画を実行した後にその結果を評価する体制を作っておく必要があります。評価するための情報の多くは経理部門で作成されます。評価体制は会社の規模によって変わってきますが、会計情報に関していえば、会社設立後間もない会社や小規模会社では、会計事務所や記帳代行会社の作成した資料が中心になり、規模が大きくなるにつれ、会社内部の経理部門が作成した資料へと移行していきます。

会社内部の経理部門であれば評価に必要な分析資料を報告するように指示することができますが、会計データの作成を外注する場合にはなかなか難しい問題になります。多くの場合、スピードと分析能力に相当の制約があるからです。

小規模会社では、経理担当者の専門的知識が不十分なことも多いし、経理部門のコストを抑える必要もありますから、外注業者に依頼することは合理的な選択です。ただし、その際に、経営情報としてどんなことを知りたいのかを会計事務所や外注業者にしっかり伝え、勘定科目や補助科目の設定や部門の設定等にも配慮してもらう、できるだけ早く会計データを作成してもらうなどの希望を伝えておかないと十分なサービスは受けられません。

こういった、経営計画の策定や評価体制の整備の局面、さらに、実績の評価や仮説の検証にあたっては、会計専門家のアドバイスやサポートを受けることも賢明な選択だと思います。経営計画は会計数値としても作成しておく必要がありますし、評価体制の整備は経理部門の整備といってよく、会計データを読み取る局面でも専門的知識や経験がものを言いますから。

経営計画や経営戦力を策定することがコンサルティングだと思っているコンサルティングファームは少なくありません。そういったコンサルティングの失敗例は山ほど聞きますが、成功例はなかなか聞けません。私どもは他人が作った経営戦略が役に立つわけがないと思っておりますので、計画策定には裏方としてしか関わりません。

PDCAサイクルを回すのは経営者である貴方と貴社スタッフですが、私どものサポートを受けることは賢明な判断となるはずです。

3 PDCAサイクルの運用・見直し

一通りの管理体制ができあがったら、これを継続的に運用していくことになります。常時、評価と計画の修正・改善を行い、実行していきます。

会計の実績集計は通常、月単位で行われますので、経営計画の見直しも月単位で行うことが一般的ですが、営業や製造の部署では日々実行計画を見直す必要があるかもしれません。

管理体制自体も、よりPDCAサイクルがうまく回るように見直していく必要があります。事業規模が大きくなれば管理すべき機能も増えますので評価項目も変わってくるでしょう。逆に組織の肥大が招く官僚化のためにPDCAが形式に堕す可能性も出てきますので、これを回避していく必要があります。

私どもは、経営者の相談相手として、経営管理スタッフへのよき助言者として、継続的なサポートを提供できます。

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1 管理会計の導入

2 PDCAサイクルの導入・見直し

3 中長期経営計画策定

4 営利企業の予算管理

5 非営利企業の予算管理

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