公益法人へのサービス

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1 公益法人制度改革

旧公益法人制度に対する①主務官庁制のため法人の新規設立が困難であり、「公益性」の判断も不明確である、②営利法人類似の法人など、本来公益とは言い難い法人が混在しているなどの問題点の指摘を受け、また、民間非営利部門の健全な発展を促進し多様化する社会のニーズに対応するため、明治31年の民法施行以来110年ぶりに、主務官庁制を廃止し、法人の設立と公益性の判断を分離する「公益法人制度改革」が行われました。

平成20年12月から平成25年11月末までの5年間の移行期間中に、旧公益法人24,317法人のうち、20,736法人が移行申請を行い、その44%にあたる9,054法人が新公益法人への移行申請を、48%にあたる11,682法人が一般法人への移行認可をし、残りの15%にあたる3,581法人が解散ないし合併により消滅しました。

まだ新制度移行後日も浅く過渡期といってよい状況の中で、新公益法人に対する立ち入り検査が平成26年度より本格化しています。概ね3年を目途にすべての法人に対する立ち入り検査が一巡するスケジュールになっています。この最初の立入検査が終わってやっと一段落したと感じられるのかもしれません。

2 公益法人会計、税務の特殊性

2-1 公益法人会計の基本的性格

公益法人会計基準は、内閣府公益認定等委員会が設定主体となっており、公益認定制度に対応するために設けられたものですが、公益法人に関する、一般的、標準的な基準とすることを志向しているため、企業会計の基準の慣行も大幅に取り入れ、非営利会計に関する基準のスタンダードたる性格を持っています。

2-2 公益法人会計の特殊性

非営利会計に係る基準としてはスタンダードなものとなっていますが、非営利会計自体が企業会計と大きく性格が異なるため、おのずから特殊性を帯びることになります。

  1. 非営利団体は、利益の獲得を目的としませんし、むしろ補助金や寄付金を目的どおり使用することにより収支が均衡する状態(収支相償)が好ましいことになります。したがって、非営利会計では、経営成績を表示することよりも、どういった財源があったか、その財源をどういった目的でどのように使ったかを詳細に開示することが求められます。
  2. そのため、収益や費用の勘定科目を定型化、標準化しています。ただし、学校会計のような厳格さはありません。
  3. 事業を会計単位とし、事業別の損益計算書(正味財産増減計算書)や貸借対照表を作成します。これは、公益認定制度において公益目的事業とその他の事業の損益を明確に区分する必要があるからです。
  4. 補助金や寄付金を主要な財源とする公益法人では、補助者や寄付者の意思が達成されたかどうかを、純資産の部の指定正味財産という特殊な概念で表現します。この指定正味財産の増減理由を損益計算書(正味財産増減計算書)に、他の増減理由(一般正味財産の増減といいます)と区分して開示することになっています。

2-3 公益法人税務の特殊性

法人税法上、公益法人非営利型の一般法人はその収益事業から生じた所得のみに課税されます。ここでいう収益事業は、法人税法施行令第5条第1項各号に規定される34種類の事業のことを指し、定款上の収益事業であるかどうかとは関係ありません。ただし、公益法人が実施する公益目的事業に該当するものについては、税法上の34種類の事業に該当していたとしても課税されません。非営利型ではない一般法人すべての所得に課税されます。

また、収益事業として法人税の課税の対象となる要件には、34業種の事業に該当し、かつその「事業を継続」して「事業所を設けて営む」こととあります。この、「継続して営まれること」、「事業所を設けて営まれること」などの判断には困難が伴う場合があります。

課税事業に係る収益を特定する作業、それに対応する費用を集計する作業、共通費を按分する作業なども事業内容やその構造、会計処理をしっかり理解しておかないと間違えがおきやすくなります。

さらに、消費税計算においても、公益法人の場合には「特定収入がある場合の仕入控除税額の調整」という厄介な作業もあります。

2-4 公益法人のスペシャリスト

このような、特殊な会計制度や税務計算が必要な公益法人の業務は、公益法人の会計と税務に関する深い理解と経験が必要不可欠です。公認会計士や税理士の資格があれば、対応できるというものではありません。

私どもは、公益法人の諸業務に長年にわたり関与してまいりました。公益法人の会計に深くかかわっている公認会計士はたくさんはいません。それに加え、公益法人の税務申告についても習熟してる公認会計士はもっと数が少なくなります。

私どもが提供する会計監査業務、税務業務、アウトソーシング業務、コンサルティング業務は公益法人業務のスペシャリストが提供するスペシャルなサービスです。

3 会計監査業務

3-1 法定監査

「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」、「公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」に基づき、負債の金額、収益・費用及び損失の金額が一定金額を超える大規模法人は公認会計士又は監査法人よる会計監査を受けなければなりません。

公益法人監査につきましても、私どもは長い経験と実績を有しており、得意分野としております。

公益法人が準拠すべき「公益法人会計基準」も、内閣府公益認定等委員会が設定した行政主導型の会計基準です。しかしながら、「学校法人会計基準」が長い行政指導の歴史の中で精緻にその取扱いを積み上げてきたのに比べ、「公益法人会計基準」は導入後日も浅いこともありますが、もともと、一般的、標準的な会計基準として育てることを志向しているため、行政側では最低限の基準しか提供しなかったこともあり、あいまいな部分、緩やかな部分を多分に含んでいます。混乱しているといってよいかもしれません。

その原因の一つは、公認会計士による法定監査を要請される公益法人がごく一部の大法人に限定されているため、公益法人制度改革以前よりも公認会計士の関与する法人が減少している点が大きいと思われます。

内閣府公益法人等委員会の「平成26年度公益法人に関する概況」によれば、全国9,300法人のうち、会計監査人を設置している法人数は335法人で全体の3.6%に過ぎません。私もこの被監査法人数や関与しているであろう公認会計士の数の少なさに驚きました。公益法人に詳しい公認会計士は複数の法人に関与しているでしょうから、その数は日本全国でせいぜい100人程度しかいないことになります。

内閣府や都道府県の調査官にも会計のスペシャリストは少ないでしょうし、今のまま時間が経過すると相当ひどい状況になることも予想されます。制度改革が一段落した今、もう一度、しっかりと見直しをすべき時期ではないでしょうか。

3-2 任意監査

法定監査の項でも書きましたが公益法人制度改革により、法定監査を受ける義務が相当大規模な法人のみとなったため、ほとんどの公益法人は会計監査を受けていません。公益法人会計基準の適用に混乱が少なからずある中で、寄附金や税金を原資とする補助金を主要財源とする公益法人が必要十分な会計責任を果たせているとは思えないのです。自主的に会計監査人制度を導入し、公認会計士監査をお受けになることで十分な会計責任を果たすことができるのではないでしょうか。

3 税務業務

3-1 税務顧問

公益法人会計と公益法人に特有な法人税・消費税の取り扱いのどちらにも習熟している私どもに公益法人の税務はお任せください。小規模法人から大規模法人まで対応できます。コンサルティング業務やアウトソーシング業務を含むご契約も可能です。

3-2 決算業務

一般的に言って、監査法人では副業が禁じられていることから、会計監査業務を担当する公認会計士は監査のプロではあっても、自分で決算書や申告書を作成する機会はほとんどありません。そういう意味では、監査業務、税務業務、アウトソーシング業務の全てに習熟しているプロフェッショナルは極めて希少です。

私どもは、貴法人の状況に応じ、貴法人のニーズに合った形で決算業務やそのサポート業務を提供できます。貴法人がおこなった決算処理をチェックする、決算処理の一部又は全部を請け負う、決算処理を管理指導するなどそのバリエーションはさまざまです。

3-3 法人税・住民税・消費税の申告

法人税、法人事業税、法人都道府県民税・市町村民税、消費税等の申告書作成や税務代理を承ります。

3-4 給与関連税務業務

年末調整、法定調書関係の書類作成など人件費に係る税務業務を受託いたします。給与計算とセットでも単独でも受託可能です。

4 アウトソーシング業務

アウトソーシング業務は、グループ会社の「わくわく経理サポート」から、提供させていただきます。

わくわく経理サポートの特徴はこちらをご覧ください。

4-1 記帳代行業務

小規模公益法人向けの業務です。公益法人会計は特殊ですので、一般企業で経理の経験のある担当者でも慣れるには相応の時間と努力が必要になります。小規模公益法人では、外部の業者に経理を外注することは合理的な選択です。

外注にあたって注意すべき点は予算統制の機能を十分に果たせるような態勢で外注を行うことです。試算表が2か月後にできあがるような状態では予算統制どころではありませんから。この点外注先と十分に調整しておくことが必要です。

私どもは、外注を受ける場合でも、クラウドシステムをおすすめしております。クラウドシステムを良好に運用するとタイムラグなく予算管理を行うことができます。

一般的な記帳代行のご説明はこちらからご覧ください。

4-2 給与計算業務

給与計算、賞与計算、退職金計算と給与明細書作成、給与振込、住民税特別徴収事務、その他給与関連事務の受託をしております。また、給与計算システムの導入支援や指導も承っております。

公益法人の給与関連業務は、特殊な取扱いはありません。

一般的な給与計算業務の説明はこちらからご覧ください。

4-3 決算書類・財務書類作成業務

決算業務に関わらない場合でも、財務諸表や財産目録等や財務書類の作成を受託しております。お急ぎの場合もお声がけください。

なお、公益法人会計に経験の少ない会計事務所からの業務も受託しておりますので、お問い合わせをお願いいたします。

5 コンサルティング業務

5-1 会計顧問

中小規模公益法人向けの業務です。中小規模法人では法人内に公益法人会計に習熟した担当者がいらっしゃることの方が稀です。会計処理についてのご指導やご相談のほか、入力内容のチェックや修正も可能です。

また、日常的な業務処理態勢や内部統制の改善、業務の効率化の指導なども行います。

5-2 予算編成・統制支援業務

公益法人にとって予算編成と予算統制は重要な意味を持っています。公益法人の運営を予算によって統制するよう定款で規定している法人が多いからです。

官公庁の単年度予算主義に弊害も多い点については改めて指摘するまでもないでしょうが、単年度計画をしっかり立てること自体は公益法人の経営にとって重要なことです。予算責任者や発注権限者が明確にルール化されていないと、予算の統制は事実上不可能です。

予算管理が十分にできないと収支相償とならないことを避けるため赤字運営になりがちです。赤字運営の常態化は将来的に法人の存続を脅かすことになります。これが、予算管理を重視すべき実質的な理由です。

予算管理上有効な勘定科目・補助科目体系や事業体系の設計、見直しから、予算編成、予算統制に至るまで様々な形でサポートさせていただきます。

5-3 経営計画策定業務

公益法人の運営が単年度予算主義を背景としていることから、中長期の経営計画を作っていない法人も少なくないと思います。

補助金や寄付金の増加が見込みにくい中で公益法人が生き残っていくためには、中長期の法人運営の方向性を見直した計画策定が不可欠です。

また、公益目的事業に要請される収支相償要件のために、赤字が常態になっている法人が増加していると思われます。経常的な赤字は公益法人の財産的基礎である正味財産の減少をもたらし、事業規模縮小が余儀なくなるだけではなく、将来の貴法人の存続を危うくします。現制度の下、正味財産を減らさないように運営することは簡単ではありません。

さらに、現在においても損益予算ではなく収支予算で収支尻が合うよう予算管理を行っている法人もすくなくありませんが、多くの場合、減価償却費のために損益実績は赤字になり、正味財産を減らすことになります。

このように正味財産を維持することは、貴法人の将来にとって重要な意味を持ちます。中長期の経営計画では正味財産維持も大きなポイントとして押さえておきたいものです。

経営計画策定業務といっても、私どもが計画を策定するのではなく、計画を策定するのは貴法人です。計画策定をサポートする役回りに徹しないと形だけの無駄な作業になってしまいます。

形だけの中長期計画を作っている法人、中長期計画を作っていない法人の理事・経理担当者の皆様、この機会に是非策定なさることをおすすめいたします。

5-4 公益事業の成果の測定

民間企業では、事業の成果は会計上の損益として表現することができますが、公益法人の決算では収支相償が求めれれますので、毎年度損益ゼロが理想的な形となります。こういった決算書を見て公益法人の業績や成果を理解することができるでしょうか。

現状大半の公益法人は公益事業の成果や業績を十分に把握せず、いわばどんぶり勘定の中で寄附金や補助金を使い続けているといったら怒られるかもしれませんが、違いますでしょうか?

上述のごとく、公益法人会計では、公益目的事業の成果を表現することができません。そうであれば、公益法人会計以外の手法で、公益目的事業の成果を測定していく必要があります。

美術館を運営する法人であれば、有料入場者数、入場料や利用者の満足度などが成果の一部を表現しているはずですし、競技力の強化を目的とするスポーツ団体では、新記録やメダルの数が成果を表現するかもしれません。

例えば有料入場者数一人当たりの運営コストや補助金の金額、満足度1ポイントあたりのコストや補助金、新記録1件あたりの強化コストや補助金の金額などの指標を用いて目標を設定し、実績を把握することで少なくとも成果の一部を表現できるのではないでしょうか。

事業の成果を測定しこれを向上させていく中で、職員の満足度の向上、補助金や寄付金の増額、社会へのアピールなどが可能となるのではないかと思います。

この成果の測定は公益法人の設立目的や社会的な存在意義にかかわる極めて重要な事項であるにもかかわらず、測定に困難を伴うがゆえに十分に取り入れられていないと感じます。

私どもは、かねてよりこの分野に強い興味を持っております。一緒に貴法人の事業成果の評価・測定に取り組んでみませんか。

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